夕景の魔法

帰り道いそぐ途中でふと足をとめる
浮き標ならぶ入り江に西日が遊ぶ

暮れる空にいわし雲
ながれて崩れる
変わったもの変わらないもの
すべて美しくなれ

遠くまで夕陽に染まる
魔法を信じられる
とうめいな空気の中で
音楽は目を覚ます

赤茶けた線路は汽笛の響を残す
竿の影のびる入り江で魚が跳ねる

東の空すみれいろ
月がじき掛かる
変わったもの変わらないもの
すべて
希望となりたまえ

遠ざかる夕陽は燃えて
魔法に誰もかかる
黄金の大気のなかで
こころは澄みわたる

遠くまで夕陽に染まる
魔法を信じられる
とうめいな空気の中で
音楽は目を覚ます

心象も茜に染まる
魔法に誰もかかる
金波の琥珀がやがて
しずかに空に満ちる
written by endorihara