折原文庫

「夕暮れガール/microstar」発売によせて
2011.09.11|comment (0)|snow mobiles
サトーさんはすごい。最初会ったのはもう15年ぐらい前になるけど、いまなお色々な音楽を吸収し、その仕組みを理解し、体内に蓄積し続けている。そして何より、それを自分の表現としてカタチにすることができる。

それは一見、音楽家として普通なのでは?と思うかも知れないが、オレを含め多くの凡才は、若いうちに音楽を作るコツを覚えたら知らず知らずそのやり方に慣れてしまい、それからは引き出しがあまり増えていかなくなるのだ。

「夕暮れガール」はそのサバンナバンドテイストが評判になっているが、実は曲自体はもっとウェットでキャッチーにできていて、サトーさん節が全開だ。サトーさんに聞いたところ「曲作ったらこういうアレンジが合うと思って」と言っていた。

そう思ってできる人はそういない。

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Pさんはすごい。人なつっこい透き通った歌声の持ち主であるばかりか、歌詞を作る上での天才的なセンスを持っている。

Pさんの歌詞の特徴のひとつとして「一人称、二人称をあんまり使わない」というのがあるが、これは省略を可能とする日本語だからできる高度な表現方法で、ともすると意味がわからなくなるため、この手法で優れた作品を生み出せる人は少ない。

「夕暮れガール」にはこれまでのPさんの作風の優れた部分がこれでもかとばかりに入っている。「microstar album」から増えてきた「韻」の踏み方もそうだし、物事を子供のような純粋な別目線でとらえた表現、そして自分自身の合わせ鏡としてPさん作品によく登場する第三者など、まさしくシングルに相応しい力作だなと思う。

Pさんの詞にはいつも東京を感じる事ができる。「夕暮れガール」には、聞く人をPさんの子供時代の東京に一気に連れて行く、とりわけ強力な魔法がかかっている。

ちなみに、ジャケットに写ってる後ろ姿の女性はPさんにすごく似ていると思ったんだが、本人ではないとサトーさんが言っていた。